サルア君、アニメに出る(1期6話)

Q : 好きなキャラがアニメに登場するという夢が22年越しにかなったうえにキメキメのカットが多数あるとオタクはどうなると思う?

A : けんこうにわるい(暇さえあれば視聴しているので眼精疲労著しく、神経が常時軽い興奮状態にありぐっすり眠れない、頭がウルトラハッピー💕💕💕💕💕で情緒が乱れているなどのため)

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第6話「《森》の巫女」

 今回のサブタイトルは原作第1章。

 原作にはない、フィエナが村人の前で巫女として振る舞うシーン。サルアは村人から少し離れたところで壁に寄りかかり、松明は持たず腕組みをして横目に集会を眺めている。マクドガルがフィエナを利用している様子を実際に見せつつ、サルアが村人とは違う立場である(=ドラゴン信仰者ではない)ことも示す。
 どうしてサルアはマントを取っているのだろう。巫女の言葉がくだされるから周囲に配慮でもしてるんじゃろか。あと村人のみなさん、首に黒いスカーフを巻いているね。

 

マクドガルがいるから、この村は――

 マクドガルの目的を見極めるために、まだ殲滅を見逃されている、ということだろうか。

 5話でマクドガルの一人称が「俺」だったのはかなりエエエエエ~~~?って思ったので「わたし」になっていてよかった。ずっと牢の中のオーフェン銃口を向けているのも警戒しているのがうかがえ、ナイス描写。
 サルアは死の教師ゆえに街の外の事情や魔術士社会についても知識はあるが、マクドガルは牙の塔出身=エリート、という意味合いなどにも疎いのだろう。
 問い詰める、という台詞からして「拷問」は使えない単語かもしれぬ。にしても、出発前に「問い詰める」というのもなんだかせわしない話だ。原作は原作で悠長に思えたりもするけれども。

「哀れなる魔術士に幸いあれ」

 村人たちの祈りをもじって皮肉を言うのがいかにもサルアらしい台詞まわし。

 フィエナとサルアの会話は丸ごと変更。サルアには別の思惑があると示す原作から、フィエナを気づかうものに(声が優しい)。「民を導く巫女の声が震えているのはまずいんじゃねえか?」は、さすが免許を持っている男、説教には一家言ありますな。

 (頭ぽん)あッ、セクハラ! セクシャルハラスメント! 相手の身体を許可なく触るのはセクハラですよ! いたいけな14歳の乙女をもてあそぶこの野郎、ゆるせないぜ。……待てよわれらが主人公もヒロインの頭をぽんする御仁であらせられたような。

 ロングショットでのおどけた仕草(人差し指を立て、視線を合わせるために少しかがむ)、いいですね。アップでも肩をすくめる、頭をなでる、と小さいけれどもキャラクターに芝居をさせる動きが入っている。こういうちょっとした動作で画面の印象が変わるんだということに最近思い至った。

 サルアの背を見送るフィエナの表情が戸惑いの色を浮かべるものであり、頬を紅潮させたりしないのも高ポイント。(9話をじっと見つめながら)。
 セクハラだのなんだのと書いたが、頭をなでるのは「子ども扱いする」記号であり、サルアにしてみればフィエナは「同情すべき子ども」なのである。まあ原作は原作で気づかっている自分が恥ずかしくなり苛立った口調でフィエナを泣かせたりしてるんだが。あとアニメ化に際し、サルアが想いを寄せられてることに満更でもない風に描かれたらさすがにさすがに、と危ぶんでいたので、そうならなくて本当に安心した。成人男性と少女、というモチーフの安易さに不信感があるのでな。まあ原作は原作で「お嬢ちゃん俺に惚れたら火傷するぜ」と思っていそうではあるんだが。

 

「絶対死んだー、と思ったけど」

 マジクのおっとりした気性があらわれた、いい台詞。

 フィエナに村へ迷いこむ前の服をデザインしてあげてもよくない? とか、「お前は村の希望なのだ」とマクドガルに言われて暗示を解くのはなぜだろう、とか小さな疑問はすべて7話が解決してくれました。

 地下牢でのやりとり、原作のマジクは師に普段虐げられている鬱憤をここぞとばかり晴らそうとしている。本作ではそこまでの描写がないこともあり、フィエナにいいとこ見せようとするマジクをオーフェンがからかうものに。

 

「なにやってんだ! お前ら!」

 原作では「ぽつりと、口に」していた台詞を、本作では大声に変更している。原作だと目の前の光景(ボルカンへのおしおき)に呆れてるのに対し、台詞を言いながら登場する形だからだろうか。

 地下牢でのシーンは、大まかな流れは一緒でも会話などをかなり変更している。こうした、「なにを見せるか、見せないか」といったシーンの表出意図や、他のシーンとの兼ね合いから行われるもろもろの変更は、翻案作品を見るうえでの楽しみのひとつだ。

 原作で、まずサルアはフィエナの部屋を訪ねているが、これはマジクに話を聞きたかったからだろうか。師が心配だからと一緒にいると聞いて地下牢に向かうのを、本作は知人兄弟の悲鳴と物音に気づいて、と描いている。塔を見るカットからすると、「捕えた魔術士の目的を確認したい(場合によっては斬る)」ので、フィエナが部屋に戻るのを待っていたのではないか。

「俺はサルアだ――あんたは?」

 顔 が い い 。(どうして…?)

 最初に見たとき、冗談抜きで一瞬息が止まったんですが……?おれはいったいなにを見せられているんだ。
 待てよ兄はつぶらな瞳の美青年なのだからサルアもものすごいイケメンな瞬間があってもおかしかないしむしろ自然。うんうんすごく自然。

 

「……オーフェン

 黒魔術士が憮然とした声で答えるとカメラが紋章に移る(違和の強調)。

「へえ? オーフェンね」

 本作においてサルアは既に紋章を調べており、ゆえに「キリランシェロ」がなぜ現れたのかを知るため、場合によっては殺すつもりで死の教師としての姿をあらわにする。紋章を巡るモノローグをすっぱりカットしてカメラの動きのみでそれを表わした、スマートな描写。

 原作で取り出される「小さな飛び出しナイフ」とは違い、本作のそれはかなり大ぶり。小さくては「画」として映えない、あるいは描きづらいなど推測もできよう。だがここでは、得物であるガラスの剣は人前にさらせないのでナイフで戦っている=正体を隠していることの比喩的表現だと見たい。
 ところで潜入任務、しかも目的は逃亡者の粛清だというのに一目で死の教師だとばれる代物を持っていくのはなぜなんだ。いや、わかる、それがサルアの自尊心そのものだというのはすごくわかる。地下室にずらり並ぶ数々の武器は代々の人間が蒐集してきたもので、家に疎外感を覚えているサルアにとってはただ一振り、「死の教師に与えられるガラスの剣」が自分だけのものなのだ。だからこそ、危険を冒してまで持ち歩くことに、それほど自身のよりどころとしているさまが垣間見える。

 マジクは、オーフェンにナイフで襲いかかるサルアの真正面に立ちふさがり、殴り飛ばされる。サルアの目はずっと標的をとらえ、マジクへは一瞬たりとも視線を向けない。マジクの動きを見て、素人だと判断する描写を映像にしたものだろう。
 ナイフを軽く投げて逆手に持ち替え(らしい動作!)、一瞬笑って横たわるオーフェンにナイフを突き立てる。このときの表情は、「キリランシェロの伝説もここで終わる。それもよかろうと思いながら」という趣きがあり、顔をあげたときには笑みは消えていて、「静かで冷たい蛇のようなまなざし」を思わせる。

 

 ここからのアクションシーンは、ニコニコ動画で0.25倍速で再生してやっと流れや表情が追えて、いろいろな発見があった。

 

 サルアがナイフで切りかかる。→一撃目をオーフェンはかがんで、二撃目は軽く上体をそらしてかわし、三撃目でサルアの右腕を絡めとり(ここでしばし両者押しあう)膝でナイフを弾き飛ばす。→ふたりはいったん距離を取り、ナイフの当たった地人兄弟が気絶する。

 頭を狙った左脚での回し蹴りをオーフェンは組んだ腕でブロック。→防がれた反動のままサルアはジャンプしながら今度は右脚で蹴りを放つがオーフェンは腰を落としてかわす。→サルアは体当たりをしかけそこから顔めがけて肘打ちし、オーフェンは腕で防ぐ。→一度腰を落としてハイキックするサルアを、オーフェンは顎をそらしてかわす。

 ここでオーフェンが攻勢に転じ、右・左・右と牽制。→オーフェンのハイキックをサルアが腕でブロックして再び両者距離を取る。

 

 オーフェンと戦っている間、サルアは基本的に笑みを浮かべているのだが、オーフェンのキックを防いだときなどには笑みが消えている。それが距離を取ったカットのラストではまた口元に笑みが戻っており、細かな芝居づけが心にくい。
 回し蹴りを放つ直前の、目をかっ開いている顔は完全にはしゃいでおり、「やはり――キリランシェロ! 本物だ!」という歓声が聞こえてくるよう。サルアの貴重なアクションシーン、たっぷり尺を取ってもらって本当によかった(長い足を振り回さないで💖の団扇をぶんぶんさせながら)。
 「狼」でのサルアはとにかく伸びやかで、アニメでの飛んだり跳ねたりいろいろな所作からそれを見て取ってしまう。足音や衣擦れのSEも愛おしい。あ~嬉しいんだねぇ、はしゃいでるんだねぇ、……そういえばこのあとこんなにはしゃげることないんだよなこの人(架空の男の人生を空想しては勝手に苦しみだすのをやめろ)(いや、主人公はじめ登場人物はのちにみんなしんどいことになるんだが)(この生き生きしたイケメンが数ヶ月後にはあんなんなってこんなんなってそのうえああなるの????)。
 というか主人公がモラトリアム期から出てまさに「自分は何者であるのか」を確立させようとしているのに、サルアはモラトリアムまっただなかであり、しかもそれを自覚してないんだよな。……ウオオオオーーアオアオアオオオオーーー

 切りかかるときにせよ回し蹴りにせよ、サルアの動きは大ぶりな一方で、オーフェンの動きは手数も少ない(空手っぽい、という意見を見てなるほどなーと思った)。
 原作で描写された動作とはまるで違う。だが「伝説のキリランシェロだー! ヤッター!!」とはしゃいだ様子で攻撃をしかけてくるサルアと、「攻撃の手数を多くしてきた敵に対し、身じろぎすらせず強烈な一撃のみで対処する」オーフェンが表現されていると愚考する次第。

 表情の変化やアクションの性格づけを見ると、脚本、コンテ、作画、どの段階でかは断言できないが原作の文章にあたって作られたシーンだという印象を受けた。
 本当に、アニメというのは手間がかかる仕事だ。目を凝らしていても見落としてしまうようなところにまで意図がこめられている。どんな作品にせよ、スタッフの解釈や意図などに気づかないことのほうが多いに違いない。本作はオーフェンの格闘を売りとしているが、ほかのアクションシーンでも細かくチェックすればこうした芝居が見られるのかもしれない。

 

 「なるほど、さすが鋼の後継」「キリランシェロ。そのペンダントにはそう書いてある」としなかったのはなぜだろう。キリランシェロと呼ばせたほうが視聴者にわかりやすいと判断して口に出す順番を変えたとか? なんにせよ二つ名が紋章に刻まれているというのはスゴイダサイが……。

 ようやくここでサルアは剣の柄に手をかける。けれども、体をひねる動きとマントに隠され、鞘すらいまだ画面には映らない。ナイフを得物としていたことといい、視聴者に剣の存在を意識させないよう作っているように思える。
 戦闘のエキスパートとして育成される《塔》の魔術士ならともかく、サルアの出自として、両手剣をメインにナイフ、警棒、槍、はては徒手空拳となんでもござれなのはなぜか。趣味同様いろいろなことに手を出した結果説が有力だが、オレイルが総合的に教える派だったということもありうる。まあ今じゃ剣なんて握ることもない立場だろうけど……ウッ(突然の発作)。

 一連の台詞まわしは声音にこめられたニュアンスの移り変わりが素晴らしい。

「チャイルドマンの後継者と目された男……」

 わずかに笑いを含んだ軽い挑発。

「五年前に《牙の塔》から失踪したと聞いていたが、本物みてえだな?」

 オーフェンが苛立ったと見て取り、あざけりの色を強める。

「おいおい無粋なことするねえ……」

 笑う気配はそのまま、緊張感が高まっている。

 特にこの無粋うんぬんの言いかたには、「そう、まさにそれが聞きたかった!」と強く思った。イメージ通りとか、解釈一致というのとは少し違う。いま原作にあたってもこの声音が再現されるわけではない。ただ、このような「乗った」ものをわたしは聞きたかったのだ。
 細い色気のこもったドラマCD版、癖のない声質が道楽者の仮面を被っているアニメ版、あなたのお好きなサルアボイスはどっち?(どっちも好き~~~💘💘💘💘💘)

 

「あんた一見レンジャー崩れみてえだが」

 オーフェンさんにはその格好が元レンジャーに見えるので??? というか、レンジャーもちゃんと出てくるのだからサルアもあの制服でよくないか。それともあれか、メッチェンと並べたときに雰囲気を統一するために起こされたデザインとかそういうやつか。ご実家ではダークカラーでコーディネートしていたのにお外で着るのはベージュ系なんですか。
 ……まあ原作通りに服装を設定しようとすると、「レンジャージャケット、神官服、私服」と3パターンもあるため、「背約者」での私服を「狼」と共通するものにしたというのが実際上の理由だろう。そのおかげでアニメオリジナルのお召し物というしろものが誕生してしまったのはなかなか面白い。登場するたび衣装を変える男の面目躍如といったところ。

 そう、サルアという男はなんでか出てくるたんびにお着替えが発生するのである。出番と出番のあいだに結構な間があいているからにせよ、ここまで衣装持ちの脇役というのも珍しいのではなかろか。

 にしても「亡霊」がカットされた影響で、主人公がキリランシェロって呼ばれるといらつく理由が謎なことになってしまっている。

 正体問い質されてるときの横顔はありていに言って理想。口元に深く笑みを刻みながら眉間には皺が寄り、装った軽薄さとキリランシェロと対峙する高揚感、そして目の前の強敵への強い視線、すなわち緊張感、それらが渾然一体となった表情だ。

 

 剣が光ってるのはさほど気にならなかったあたり、わたしのセンスはスタッフと同等の可能性がある。むしろ「八本しかねえはず」にチェックを入れたい。そこは「八振り」で。
 本作は小物にしろ背景にしろ、人物に比してでかいのだからガラスの剣だってもっと大げさにでかくてもよかったのよ。ほらこの地下牢だって妙にだだっ広いじゃない。でも今回に限っては大立ち回りに必要だからこの広さはむしろノーギルティ。

「サルア・ソリュード。死の教師を知っているとは光栄だ」

 実家やら兄貴うんぬんを削ったのは判断としてはマル。原作通りだとごちゃごちゃしてしまう。相手を小馬鹿にした声色で「光栄だ」っていうのが最高なんですよ。
 あと半袖着用のおかげでサルアの腕がごついのがわかる。切り裂く「鋭い刃」ではなく骨を叩き折れる剣を好み、重量のあるガラスの剣を振り回しているのだから腕がごつくて当然というもの。ありがとう半袖、永遠なれ半袖。あなたの功績は忘れない。

「(質問に)どっちが先に答える」

 サルアの台詞で、昔はこの場面を「それとなく触れられていた魔術士専門の暗殺者が目の前に……!? 危うし、主人公!」って読んでたんだよなーということを思い出した。
 ガラスの剣が対魔術士専門武器みたくいわれているのはなぜなんじゃい、とは以前から言ってきた。死の教師の象徴とされていることからなんとなくそういうイメージを持たれてしまったのだろうが、サルアも「これさえあればクオ(天人の遺産装備)に遅れは取らない」と言ってしまっているんだよなあ。自己暗示に近い台詞な気はするが……。
 死の教師による有名な、つまり強力な魔術士の暗殺事例はないという。実際、魔術士の殺害は暗殺よりもステフやハイドラントの両親のようなリンチのほうがありえそうに思う。サルアの魔術士との戦闘経験の有無は不明だが、「殺す意思のある自分自身と、殺せない魔術士なら勝機はある」とみている。
 結局、オーフェンは、「何が目的でこの村に来た?」というサルアの質問に勘違いともいえる警戒心を察して「争う理由はない」と引いている(拍子抜けさせるのを狙ったか?)。仮に引かず、クリーオウの横槍も入らず、戦闘を継続していてもわれらが主人公なら殺すことなくサルアを無力化していたのは間違いなかろう。
 あと襲いかかった理由は、警戒よりも「ハッ、あなたはもしやキリランシェロさん……? ファンです、サインください!」が絶対大きいでしょと何度でも主張しておきたい。

 

 クリーオウ、原作通り後ろからばっさり、でもいいんじゃないかと思うんだが、でもそうすると「決まったわね、ミス・クリーオウ♪」というカワイイ台詞がなくなってしまう。うぬぬぬ、と迷ってしまうところだ。
 ボルカンの頭にナイフが刺さらなかったり、クリーオウが切らずに殴り倒したりと、流血おさえめの方針だという印象が(ならどうしてコミクロンを景気よく……?)。あとその方針だとしたらサルア君が再登場したときはいったいぜんたいどうなっちゃうのかしら。

 マジクの倒れている位置がおかしい(サルアより右側にいなければならないはず)。にしても、美少年にしかゆるされない倒れこみかたである。

 オーフェンの台詞、「あんたは」よりも「君は」のままがよかったなー。

 原作で、オーフェンは内心をフィエナに言い当てられて「心が読めるのか?」と聞いている。これを、本作では「前に一度、(サルアの)心を覗いてしまったことがあって」というフィエナの台詞に変更している。おそらく、ディープ・ドラゴンは対象の心を読むことができるという説明と、フィエナがサルアの正体をすでに知っていることを一度に示すための変更だろう。とまれ、淡い想いを寄せる相手の心を覗いて「しまう」というのはなかなかに深読みをそそられる。
 サルアが死の教師だとフィエナに明かしたのは、「自分はマクドガルの粛清に派遣されてきたから、逃げたいなら頼れ」ってことだと思いたいんだけども、あのひと行動がたいがい抜けてるからついうっかり口を滑らしたのも十分ありえるのがな……。いずれにせよいくら助けてくれるといっても、職業が殺し屋のお兄さんを頼るのは怖くない?

 昏倒したサルアの顔がキメカットなのは明らかにサービスシーン(ぐるぐる目)。というか、フィエナの目にはああ見えているのやもしれぬ。むしろ6話を通してサルア君のお顔がおよろしいのはそういうことでは……?
 フィエナの思慕は「追いつめられた状況下で親切に接してくれるお兄さんへの淡い思い」ではあるんだろう。しかし、原作の「ドラゴン信仰者でもないから話し相手はわたしくらいしかいないんだろう」は自分自身に言い聞かせてるのがうかがえる。思慕の念さえ押し殺さざるを得ない状況であり、さらにはマクドガル邸の使用人の存在があるわけで(窓を開ける許可を得たフィエナがサルアと使用人が妙にべたべたした様子で歩いているのを目撃する回)(やめろ)。
 おのれキリランシェロと一戦交えられず不完全燃焼なのをおねえちゃん連れこんで発散しあまつさえ崇高な地を隠すための偽装とかうそぶくあの野郎、ゆるせないぜ。

 

 オーフェン「人にものを頼むときは説得力ってもんが必要なんだ」
 アザリー「女と約束をするのなら……」「まずは女に言うことを聞かせるだけの力を持たないとね」
 似たもの姉弟だ。

 

 予告「お前まで女のせいで面倒に巻き込まれるのか?」「弟子は師匠に似るんでしょうか……」チャイルドマンもそうだそうだと言っています。

 

(初出・2020年3月22日。加筆修正のうえ投稿)